2011年 03月 25日
#Instant LIFE/インスタントライフ “ちょっと気軽にインスタントな生活、してみませんか?” “そんな誰かのインスタントな生活を、一緒に作ってみませんか?” こんなときに、こんな軽々しいキャッチフレーズ、不謹慎ですね、すみません。 まだまだ手探りです。これは考え方、イメージの提案です。 まだまだ文章は修正更新していくつもりです。 意見や提案、もしくは一緒にできることなどあれば、やりとりできるとありがたいです。 【はじめに/イメージすること】 ちょっと青臭い話から始めてもいいですか?僕は今、茨城県の水戸市に住んでいます。電気水道が丸一日くらい止まったり、屋根の瓦が落ちたり、ぼちぼち小規模で地震の被害は受けましたが、不便なことはありつつもおおよそ日常が戻ってきています。そんな中で、自分が被災者なのか、支援者なのか、日常の生活者なのか、いまいち軸足が定められないままに、もろもろ仕事もなくなったりしたので、しばらくもんもんと考え事をしてました。月並みですが何ができるかなんて考えたりするわけですが、手に職もなければお金もないので、いろいろ思い悩んだあげく、何もできないな、ということだけが分かりました。大収穫です。そしたらいろいろあきらめがついたので、気が楽になりました。なのでイメージすることにしました。まあ、ほとんど妄想するってことなんですが、イメージすることだけ、してみようと思います。 【数万人が日本全国各地に疎開する】 現在、東北関東で避難所生活をしている方々はいまだ30万人ほどと報道されています。復旧に要するであろう長期間、その生活を維持し支援物資を送り続けるだけでなく、徐々に人間自体がインフラの整った場所に移動していくことになっていくと思います。地震直後から、関西の自治体レベルでの受け皿の整備は驚異的なスピードで動いていますし、自治体だけでなく、そこから溢れるであろうことを想定した民間レベルでのネットワーク構築も多方面で進んでいます。今現在も全国各地の公共や民間問わず、準備を整えたあちこちから名乗りをあげる声が聞こえます。イメージしてみてください。数万、数十万の人々が全国各地で期間限定の仮の生活を始めることを、まずイメージしてみてください。 【Instant LIFE/インスタントライフ】 そんな見ず知らずの土地での仮の生活、いわゆる疎開生活に試しに名前を付けてみたいと思いました。「Instant LIFE/インスタントライフ」。住み慣れた場所を離れた、インスタントな生活。長期休暇にバカンスでもするような気分、その土地の人と触れ合って、いつもとちょっと違った自分を演じてしまうようなインスタントな生活。そんなこと言っていると、不謹慎だと怒られそうですが、こんなときだからあえてポジティブなイメージを共有したい。どうせ同じ出来事ならば、その出来事とどう前向きに対峙することができるかを考えてみたいと思いました。 【物語としてのInstant LIFE/インスタントライフ】 例えば、見知らぬ土地にやって来てインスタントな生活を始めようとしている一人の個人、もしくは一つの家族を主人公とした物語をイメージしてみてください。主人公はどんな条件の中でそこにやってきましたか?自治体の用意した公営住宅に入居しましたか?それとも友人知人の家の一部屋に間借りするように住み始めましたか?それぞれに違った様々な物語が始まります。その物語の一人の登場人物として「Instant LIFE/インスタントライフ」を一緒に作ってみませんか?自治体のスタッフや、部屋の貸し主の個人がすべて面倒を見るというわけでなく、その周りに暮らす数十人から百人くらいで、一人、もしくは一家族をケアするイメージ。やって来た人がいたら、まず話しかけてみてください。その瞬間からあなたは「Instant LIFE/インスタントライフ」の登場人物です。そこで何をしたらいいでしょう、何があなたにできるでしょう?ちょっとしたことなんだと思います。イメージしてみてください。試しによく行く呑み屋に誘ってみたとします。それだけで、見知らぬ土地に呑み友達と、馴染みの店ができます。それってすごいことだと思いませんか、いい意味でも悪い意味でもそんなもんだと思います。一人暮らしの老人だったら、たまにお茶をしに行って話をするだけでもいいかもしれません。子ども同士なら、遊びに誘うだけでもいいかもしれません。おすすめのお店とか、病院とか、銭湯とか、情報だけでもいいでしょう。例えば百人いたとしたら、家に眠っているものを集めたら、家電や食器などたいていの生活用品は揃ってしまうものだったりします。顔の見える仲間同士やご近所さんの延長で繋がるような数十人で、一つの「Instant LIFE/インスタントライフ」を作ってみる。イメージしてみてください、なかなか素敵なことだと思いませんか?そんな出来事が全国各地で数万もの物語としてあちこちで起こる。イメージしてみてください、そのときにはさらに数倍の登場人物が物語に主体的に関わることになる「Instant LIFE/インスタントライフ」。イメージしてみてください、どきどきしませんか? すみません、ちょっと妄想が過ぎました。 もうちょっと小さな話をしましょう。「Instant LIFE/インスタントライフ」の主人公は、インスタントな生活に終わりを告げ、復旧し始めた自分たちの街に帰って行くとしましょう。もしかしたらそのままに定住する主人公もいるかもしれません。それも一つのよい結末かもしれません。あなたは主人公に会いにその街を訪れるかもしれません。主人公が見知らぬ街にやって来たように、あなたも見知らぬ街を訪れる。その街は少しずつ風景を取り戻し始めているかもしれない。あなたが馴染みの店を紹介したように、主人公とともに見知らぬ街の馴染みの店で一杯酌み交わすかもしれない。もしかしたら、それからも互いの街を行き来するようになるかもしれない。イメージしてみてください。そのときにはインスタントなんて呼べない関係がそこにはできているかもしれません。物語は続いていく。 僕はイメージすることしかできません。 だけど、イメージすることが最初の一歩を踏み出すささやかな原動力になることを信じています。 #Instant LIFE/インスタントライフ 中崎透/美術家 2011.3.28
by tohru511215
| 2011-03-25 17:59
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